リヤカー引いて“地球1周分”歩いた男 41年に及ぶその旅路【後編】

リヤカーマン・永瀬忠志がこれまで歩いた総距離は41年間で4万7000キロ以上 [拡大する]

リヤカーマン・永瀬忠志がこれまで歩いた総距離は41年間で4万7000キロ以上

 お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志、バナナマンの設楽統、女優の小池栄子が出演する伝聞型紀行バラエティ『クレイジージャーニー』(TBS系 毎週木曜 深0:10)。そうそうたるクレイジージャーニー(旅人)が出演するなか、リヤカーを引きながら世界各国を旅する冒険家として登場したのが“リヤカーマン”こと永瀬忠志氏(61)だ。41年間に及ぶ“リヤカーの旅”の総距離は、地球1周分を優に超える4万7000キロ。そのリヤカー旅の軌跡をたどる後編。

■2度挑戦した“アフリカ横断”

 永瀬氏は過去に2度、アフリカ横断に挑戦したことがある。オーストラリア横断が成功し、リヤカー旅がメディアで取り上げられるようになって以降、友人が積極的に資金援助をしてくれた。そのかいあって、27歳で初のアフリカ横断へ。出発の準備中は、これまでの旅の楽しい思い出ばかり浮かんできたものの、出発地でリヤカーを受け取った瞬間、つらく過酷な記憶がよみがえり、先行きに不安を感じた。しかも、今回はケニア・モンバサからフランス・パリまでの長距離横断。長く続くアフリカ横断に、出発当初から「寝ている間にサイがリヤカーを壊してくれたらいい」と、何度も旅を辞める理由を探していた。

 アフリカ横断を始めてから216日目が過ぎたとき、ナイジェリアでリヤカーが盗まれてしまう。さぞ意気消沈かと思いきや、芽生えた感情は「やったー!これで帰れる!」と、つらい旅が終わる喜び。求めていた“辞める理由”が訪れた。帰国を控えたある日、これまで歩いてきた道やリヤカーを最後に停めた場所を訪れると、帰りたい気持ちが一転する。「今までの旅の出来事が走馬灯のように駆け巡り、悔しさが込み上げてきたので『もう一度アフリカ横断をやり直そう』と決心しました」。300万円の資金を貯めて6年後、33歳で2度目のアフリカへ。1年弱かけてパリの凱旋門に到着し、最長記録となる1万1000キロの徒歩横断に成功した。

■英語が話せず、危険な目に遭ったことも

 これまで数多くの国を訪れている永瀬氏だが、実は英語があまり得意ではない。出発前は「こんにちは」「ありがとう」「これはいくらですか」というフレーズだけを覚えて、あとは旅をしながら現地の言葉を覚えていくのが永瀬スタイルだ。「この3つは生活の基本になる言葉で、これを覚えればだいたい乗り切れました」と笑顔で語った。

 だが、英語が話せず、トラブルに巻き込まれた経験もある。「ナイジェリアでスパイやゲリラだと疑われ、警察に連行されたんです」。現地の警察に取り調べされた際、「なぜここにいるのか」「目的はなんだ」と聞かれたが、英語で説明することができず、苦労したエピソードを振り返った。結局、宿泊していたホテルの人に誤解を解いてもらったといい、これまでも現地の人に救われた経験をもつ永瀬氏は、改めて「いろんな人との出会いで旅が続けられた」と語った。

■たった1%の喜びで「また旅に行きたくなる」

 ナイジェリア以外でも、インドネシアのジャワ島では刃物を持った男2人に脅され、お金を盗まれるなど、度々トラブルに遭遇してきた。なぜ危険な思いをしてまで、過酷なリヤカー旅を続けるのだろうか。最後にその理由を明かしてくれた。「リヤカーを引いているときは、日本へ帰りたい、旅を辞めたいと思っている気持ちが99%ぐらい。つらい気持ちが大半を占めているんです。ですが、残りの1%『ここに来てよかった』『旅を辞めなくてよかった』と思う瞬間があります。それは現地の人との出会いや、見たことのない風景を目にしたとき。つらかったと感じる時間がはるかに長かったとしても、1%の喜びを思い出すと、また旅に行きたくなるんです」。

 永瀬氏の過酷な挑戦はDVD『クレイジージャーニーVol.4』(発売中)でより深く触れることができる。これまでも常人離れしたクレイジージャーニーが登場しているなか、永瀬氏の回は優れた番組や個人・団体を放送批評懇談会が顕彰する「ギャラクシー賞」の2016年5月度月間賞を受賞。名実ともに高い評価を得る永瀬氏、今後のリヤカー旅にも目が離せない。

【プロフィール】
■永瀬忠志
1956年生まれ。島根県出雲市出身。19歳で達成した“リヤカー日本徒歩縦断”を機に、世界各国を旅する冒険家に。2005年には第10回植村直巳冒険賞を受賞。大阪府立成城高校で講師を務めながら、リヤカーで世界中を巡る冒険家。

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