3次元革命で世界が変わる!? ドローンの魅力と可能性〜東京情報大学〜

人気グループPerfumeやコブクロ、ドラマ『あまちゃん』、映画『トランスフォーマー』。これらの音楽ビデオやドラマ、映画の撮影では、ドローンが活用されています。ともすればトラブルの報道が先行しがちなドローンですが、東京情報大学の学生や先生たちは、ドローンの広大な可能性を探って、先端的な取り組みを行っています。直撃取材しました!

これもドローン!? 知られざる最新映像のヒミツ

 2013年にNHK総合で放送された『あまちゃん』のオープニング映像。線路を走る列車と並走したり、水面すれすれを飛行したりと、そのダイナミックなカメラワークが話題になりました。こんな撮影を可能にしたのが、複数のプロペラを持ち、カメラを載せて自由に空中を飛び回る小型ヘリコプター「ドローン」です。総合情報学科、映像・音響コースの伊藤敏朗教授は、ドローンを使った映像撮影について説明してくれました。「これまで、大きなクレーンカメラでも撮れなかった独特の浮遊感が、ドローン撮影の魅力です。目新しいというだけでなく、物語の状況を観客にたちどころに理解させたり、こみあげる想いを表現するような感動的な視点移動が、映像表現の幅を大きく広げています」。

 ドローンにも課題があり、他人の敷地の上を飛び回って撮影することの肖像権の問題は大きな議論になっています。また、強風や電波障害のために墜落する危険性も。同大が研究に使用している最新のドローンは、リモコンからの電波が途切れると、GPSで事前に登録した出発地点に、自分で戻ってくる機能を備えているそうですが、安全性や運用面を含めたドローン活用のルール作りが、求められているとのこと。

  • (左から)伊藤敏朗教授と喜多村明さん

 総合情報学科3年生の喜多村明さんは、そんな発展途上のドローンを使ってこの夏に映画の制作を計画しているそうです。「プロペラの回転音がうるさいので、セリフがあるドラマのカットでは役者に近づけないなど、制約もあるのですが、『ドローンから見える世界』をテーマにドキュメンタリーの映像集を作ってみたいですね。普通の人間の視点では体験できないような未知の世界を映像にして残したい!」と意気込む喜多村さん。若い感性とアイデアを生かした、ユニークな映像を目にする機会が、どんどん増えていくことでしょう!

映像だけじゃない、ドローンでこんな未来が訪れる!?

 ドローンが役に立つのは撮影だけではありません。アマゾン社は、「配達ドローン」によって、空から宅配ピザなどを届けるというアイデアの実用化に向けて、特許を申請しているそうです。伊藤教授は、ドローンは私たちの世界に「3次元革命」を起こして、社会そのものを劇的に変えてしまうかもしれないといいます。これまで平面上の移動を前提としていた物流に、「高さ」という概念が加わることは、インターネットの出現で「IT革命」が起きたのと同じくらい、急速に世界を変えていくだろうと伊藤教授は予測します。

 「現在のドローン技術は、無限に広がる可能性の入口でしかないのではないか。人間が乗って自由に操縦できる時代を、今から考えておくべきではないか」と伊藤教授は夢を語ります。そしてそれは、これまでの地形や距離、移動や居住の概念、ひいては社会観や人間観までも革新してしまうほどのインパクトをもたらすに違いない、と。「最新型ドローンの展示会などでは、かなりの重量を載せて飛べるものや、時速100Kmの高速で移動できるモデルが発表されています。“UFO”が現実のものとなる世界は、すぐそこまで来ているのかもしれませんね!(笑)」。

 そんな夢のある未来を創造できる柔軟な発想力を養い、未来を熱く議論できる若者を育てていくための刺激的な教材として、ドローンの研究に大きな価値を感じているようです。

 伊藤教授は、最後にこうつけ加えました。「ドローンが空中に浮遊できるのは、姿勢センサーによって、プロペラの出力を制御しているからです。これは例えば舟をこぐ人が、川の流れにあわせて舵をとるのと同じですよね。実はギリシャ語の”舵をとる者=サイバネティックス”という言葉は情報学の重要な思想のひとつでもあります。ドローンは、まさに空中で舵をとる空飛ぶコンピュータであり、情報学の進化を象徴するような機械なんです。情報大学の研究者として、こんな面白いツールはありませんね」。

ドローンを活用した最新の研究をご紹介!

  • 朴鐘杰准教授

 未来の世界に希望がふくらんだところで、実際に近い将来実用化が予定されている、同大の最新の研究をご紹介しましょう。それは災害地や険しい自然環境など、人が入るのが難しい場所でドローンを活用することを実現した研究です。総合情報学科、地球・自然環境コースの朴鐘杰准教授が、現在、進めているプロジェクトについて説明してくれました。「環境省と協力して行っているのが、植生図の作成です。衛星から送られる画像だと、地上にどんな植物があるのかまでは分かりません。車で行こうとしても、崖などが立ちふさがって到達できないポイントがあります。そんな場所で活躍するのがドローンです」。

 今後ドローンの操作性能が上がっていけば、火災現場での消火活動や津波被害の確認など、ドローンが活用できる、必要とされる場所はたくさんあるそうです。ぜひ同大の研究に期待したいですね!

 報道などから、なんとなく危うげなイメージも抱いていたドローンでしたが、今回の取材で、とても生活に役立つ、夢のある素晴らしいマシンだということが分かりました! これからのドローンが、どんどん身近なものになってくるのは間違いありません。ドローンが変える私たちの未来。東京情報大の取り組みから目が離せません!


東京情報大学

 総合情報学部 総合情報学科では、社会環境の変化や情報社会の進展に対応できる人材を必要とする社会的ニーズに積極的に応えるために『1学部1学科12コース制』を導入し、幅広い分野の専門教育を実施。社会生活の基盤を担う『情報』をさまざまな角度から学び、多様な視点を養うことで情報社会が直面する複雑な問題群を総合的に理解し、自分の将来の進路を明確にしながら専門性を身につけることができる。

千葉県千葉市若葉区御成台4-1
(取材協力:東京情報大学)