2012年03月03日 10時00分

現役予備校講師が説く「入学までにやっておくべき3箇条」

 そろそろ合格発表シーズン。長かった受験期間が終わり胸をなでおろすのもつかの間、4月からの大学生活に期待と不安が半々の人も多いはず。そこで、入学までの約1ヶ月間に、どんな準備をしておくべきか専門家に聞いてみた。

 「大学受験を通して、自分の目標は何なのかを考えてもらい、自立を促すことが大切」と話すのは、多くの受験生を抱える大手予備校・東進ハイスクールで大宮校などの地域ブロック長を務める清野光昭先生。大学生活を無駄にしないためにやっておきたい準備を大きく3つにまとめてもらった。

1:【英語の勉強】
 「ますますグローバル化が進むなか、英語でコミュニケーションが取れることは、将来社会で活躍するためには不可欠の条件となってきます。もちろん大学で学術論文を読むためにも必要です。最も英語力がついているのが受験直後ですが、入学まで何もしないと確実に低下します。具体的には、ビジネスでも求められる試験であるTOEICを“ものさし”として勉強を進めるのが良いと思います。受験では『読む』と『聞く』が主に求められますが、今後は『話す』『書く』も求められる。TOEICのSWテストではスピーキングとライティングの能力を試すことができるので実用的です」

 文系でも理系でも重要なのは英語力。受験で身につけた英語力をさらに強化して4月に備えましょう。

2:【読書】
 「本は人類の英知の結晶です。極端な言い方をすれば、千冊の本から千人の人生、あるいは人生を賭けて研究したことを一瞬にして学ぶことができます。また、読書をすることによって世界が大きく広がり、そこから将来の目標を見出す生徒も少なくありません。明確な目標があれば大学生活も充実します。受験勉強でなかなか時間を取れなかった皆さんも、このチャンスに10冊、20冊と積極的に読書をしてほしいです」

 大学に入ってまず学ぶのは一般教養ですが、準備期間での読書は一般教養の補強にもなるはず。

3:【親の子離れ】
 「保護者の方から『大学生になってからの門限は何時にすればいいでしょうか』と質問されることがありますが、それはお子さんとよく話し合ってください。子どもを自立させるためには、干渉し過ぎずに信用することも必要。経済的な問題など諸事情が許せば、自宅から通える範囲に大学があるとしても、できれば親元を離れてひとり暮らしをしてほしいですね」

 “自立できず、将来の目標が見いだせない”というのでは、大学受験を乗り越えた意味もありません。この機会に親も“自立”を。

 大学に合格すれば幸せだけが待っているわけではありません。合格の余韻に浸るのも良いですが、気を引き締めて4月の入学を迎えたいですね。

(小川たまか/プレスラボ)

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