2012年02月06日 13時31分
東洋大学、『現代学生百人一首』入選作品集が完成
東洋大学が開催している「現代学生のものの見方・生活感覚」を詠み込んだ短歌を募集するコンテスト『東洋大学 現代学生百人一首』の入選作品集が完成した。全国の小学校〜大学、各種専門学校などから6万237首もの応募があり、その中から入選した100首と小学生の部入選10首が編纂(へんさん)されている。
今年で25回目を迎える同コンテスト。今回は「大地震 力を合わせがんばっぺ! 下を向かずに再興目指し」(福島県立平工業高等学校 2年 黒澤拓さん)のように、「大震災など悲惨な話題をテーマとした歌の中には、未来を見据えた強い意志や新しい一歩を期待させる」(同大広報)作品が多いのが特徴。「大震災復興待ってる人がいる今の私に何ができるか」(埼玉県立熊谷女子高等学校 1年 安藤千夏さん)など、被災地以外からも力になりたいという願いのこもった歌も届いた。
また、「七月はからっぽだったポケットを単語カードが独占してる」(茨城県東洋大学附属牛久高等学校 3年 高塚信治さん)、「光速を超えてしまったニュートリノ新理論の扉が開く」(千葉県立佐原高等学校 2年 山?孝浩さん)といった学生ならではの勉学についての短歌も。
小学生の部では、「ぎんなんがぽとぽと落ちる足元に見上げてみれば色づくいちょう」(奈良県 奈良市立西大寺北小学校 6年 古澤舞衣さん)など、自然を瑞々しい感性でうたった歌が目立った。
同コンテストは、同大学が創立100周年の際に「百」にちなんだ記念行事として始まった恒例行事。短歌創作を通じ、若者の豊かな感受性と国語感覚を発達促進するとして教育現場で着目され、授業の一環として取り組む学校もあるなど、年々応募数が増加している。